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POSTMAN、国境を越える ―― カンボジア・タイ・ベトナム

  • 事務局
  • 2010年2月1日
  • 読了時間: 3分

皆様からお預かりした文房具を、現地へ届ける「POSTMANプロジェクト」。この時期、私たちはカンボジア・タイ・ベトナムの3カ国、計5つの現場を巡りました。訪れるたびに見えてきたのは、「支援」という言葉だけでは括れない、それぞれの土地の現実でした。


カンボジア ―― ゴミ山のそばの学校で


最初に訪れたのは、スタメンチャイという地域にある「VCAO School for Vulnerable Child Garbage Workers」。ゴミ山のそばに立つ、その名の通りの学校です。親がゴミ山で働いている家庭の子どもたちが通っていました。

校長先生と子どもたちに文房具を手渡すと、すぐに一緒になって遊ぶことに。子どもたちのパワーには、こちらが根を上げるほどでした。隣の教室ではミシンの授業が行われていて、厳しい環境の中にも、日々の学びがきちんと息づいている光景に、静かに心が動かされました。


続いて向かったのは、プレイベン州チェーンダイ市プレイクラン村の学校。ここは井戸掘りプロジェクトでホームステイをさせてもらった村でもあります。教室では算数の授業が行われていましたが、正直なところ、私たちにはまだ文字すら読めない子どもたちの表情の方が印象的でした。言葉が通じなくても、ビー玉遊びを通じてあっという間に打ち解けられる。


言葉が違っても、人種が違っても関係ない。現地に行き、体験して、初めてわかったことでした。


最後の3カ所目は、教育支援を専門とする現地団体ALCへ文房具を託しました。

この旅で見たのは、都会のショッピングセンターで遊ぶ子、貧しいながらも学校に通える子、学校にも通えず物乞いをして生きる子――同じ国の中にある、あまりに大きな格差でした。


自分にも出来ることは何か。支援とは何か。それを考えさせられる旅でもありました。

一番強く残ったのは、結局のところ子どもたちの笑顔でした。活気に満ち、屈託のないその表情は、現地に立ってはじめて感じられるものだったように思います。


タイ ―― 国籍を持たない子どもたちの学校で


続いて、団体にご協力いただいている支援者の方の旅行に合わせ、タイ・チェンマイ近郊のバンフエサイという学校へ文房具を届けていただきました。


この学校に通う92人の子どもたちの多くは、親がミャンマーから出稼ぎに来た家庭の子で、無国籍のケースが少なくないといいます。写真に写るモン君は、紙飛行機大会でタイ代表となり日本での決勝進出を決めたものの、国籍とパスポートがないために出国できないという事態に直面しました。最終的には特例措置により来日が実現し、この一件は大きな話題にもなりました。


親世代の多くは工事現場などの短期契約の仕事に従事し、決して楽な暮らしではありません。訪問時はちょうど休み期間で子どもたちには会えませんでしたが、先生方に文房具をお渡ししてきました。


ベトナム ―― 枯葉剤被害者施設で、支援の"続き"を届ける


タイに続いて訪れたのは、以前の現地視察でも足を運んだ、枯葉剤被害者の施設でした。枯葉剤の影響で身体に障がいを抱える子どもたちがいる一方、みな驚くほど器用にものづくりに取り組んでいました。この施設には「選択箱プロジェクト」を通じて、単発ではなく継続的な支援を行っています。


代表の子どもたちに文房具を手渡しながら、あらためて感じたのは、枯葉剤の影響がいまなお現在進行形で残っているという事実でした。一度きりの寄付では終わらせられない支援がある――そのことを、この場所は教えてくれました。


カンボジアで格差を目にし、タイで国籍という壁に触れ、ベトナムで戦争の爪痕がいまも続いていることを知る。1回の渡航が、3つのまったく違う現実と向き合う機会になりました。「文房具を届ける」というシンプルな行為の先に、それぞれの土地固有の課題が広がっていることを、身をもって学んだ時期でした。



 
 
 

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